大げさだけど「世界の半分」を手に入れた気分
サラーム、naruです。
リアルタイムはチェコのプラハ。冬の東欧は寒い! 12月半ばから止まらない鼻水で、鼻の下が荒野のようにカサカサな私です。
今日からはブログも通常営業、イラン編に戻ります。
ペルセポリスを見た翌日、私たちはエスファハーンという街にやってきました。
エスファハーンは、シーラーズと並ぶイランを代表する観光地。「エスファハーンに行くよ!」と言うと、イラン人も大きく頷いてくれます。かつては「世界の半分」とも謳われるほどの栄華を誇り、その時代に造られた「イマーム広場」は世界遺産にも登録されています。世界の半分、なんてかっこいい響き。
広場を囲む2階建てのアーケード街には、お土産屋さんがぎっしり。宮殿や、青を基調にしたアラベスク模様で飾られた王族専用のモスクも、周囲を囲む建物と一体になって広場を囲んでいます。
すいこまれそうなほど真っ青で細やかな模様はイランのモスクの特徴。
広場は、夜景も素敵です♪
宮殿があるくらいなので、昔は高貴なひとたちが集う場所だったのかもしれないけれど、いまは噴水と芝生のある公園として整備されて、市民の憩いの場として親しまれているようでした。なぜかアイスを食べてるイラン人が多かった。秋も終わりがけでかなり肌寒いのに……
と、思っていたら「アイス買っていい?」とヒロさん。
寒空の下でアイス組がここにも!
モスクや広場を歩くだけでも楽しめる場所ですが、私が必ず行きたいと目をつけていたのが、アーケード街の一角の「職人街」と呼ばれる場所でした。お土産屋さんに紛れているけれど、工房のまわりには銅製品を鍛える「カーンッ!カーンッ!」という音が響き、また違う工房をのぞけば、モスクの緻密なアラベスク模様を思い起こさせる伝統工芸品「ミーナー・カーリー」の彩色を施しているようすが見られます。
さっき見たモスクの模様が、1枚のタイルやお皿にギュッと凝縮されてるみたい。
特に私たちが見たこの工房は、そのあたりのお店に置いてあるお土産品とは、描きこみ方が全然違いました。たいていの場合は、小さいお皿になればなるほど描きこみのアラが目立ってくるものだけど、この工房は小さいアイテムにこそ本領を発揮。描く線はより細く、柄の密度はより細かく。描きこめる面積が小さくても、精密な印象はそのままでした。お皿の大きさではなく、描きこみ方に比例して、お値段も上がるみたい。
そして、私たち、出会ってしまいました。
ミーナー・カーリーを盤にした掛け時計!
お値段約1万円也。たかーい! でもほしーい!
見た瞬間にビビビビビッときてしまったんです……。特に左の青色は職人さんが「エスファハーンの色」と言っていただけあって、モスクを彷彿とさせる真っ青なカラー。家に飾ってあったら、見るたびにイランやこの旅行のことを思い出すだろうなっていう色。
高い。でもいい仕事する職人の時計、ほしくないですか?
悩みすぎて、滞在中この工房に何度足を運んだことか!
最後の方は職人さんたちに「また来たの?」って目で見られる始末。えへ。
私のエスファハーンの思い出は、大部分この時計に思い悩んでいたことだと言っても過言ではありません。でも最初の「出会っちゃった感」は、そうそう私を離してはくれませんでした。色も含め、悩みに悩んだ末……
左のエスファハーンカラーを購入しましたー!
針は右のタイプがいいなーと伝えると、付け替えてくれました♪
いま、思い返してもニヤニヤするくらいお気に入り。
ああ、はやくこの時計を飾りたい。帰国後の楽しみが、またひとつふえました。
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