ダライ・ラマに会いに
ナマステー。naruです。
ダラムサラに到着したのが土曜日。目的にしていたダライ・ラマ14世の説法(ティーチング)は初日の月曜日にききにいくつもりが、ふたりとも食あたりでダウンしていました。
ミャンマーに続いて2回目!
今回は病院に行こうか相当悩みましたが、なんとか自力で回復です。
そんな理由でずっと部屋にこもっていたのですが、ふと窓の外を見上げると
え、あれ、ヒマラヤ!!?
それまでは霧がかっていたり雲が出ていて手前の山しか見えなかったのですが、あの雪をかぶった真っ白な山は絶対にそう! 実は世界一周中に叶えたい夢のひとつに「ヒマラヤを見る(できればエベレスト)」という項目があったのですが、まさかインドで叶うとは。しかも部屋から!
食あたり中にもかかわらず、大興奮でした!
話を戻して、私たちがダライ・ラマの説法を聞きに行けたのは水曜日。
説法を聞くには簡単な手続きが必要で、説法がはじまってからは当日の朝6時に会場となる寺院に直接きてくださいと言われます。それ以前は別の場所に受付所が置かれるそう。
それにしても朝6時……案の定、寝坊しました。
でも大丈夫。説法は8時開始なので問題ありません。
初日にもお世話になった「つなぐカフェ」には「絶対6時に行かなくても大丈夫!と思って7時半に行ったけど聞けたよ」という強者もいらっしゃいました!
手続きに必要な物は
- 証明写真2枚
- 10ルピー
- その場でもらう申込用紙
たったこれだけ!
インドでありがちな「外国人料金」もありません。教えを請いにくる人はみんな平等ってことなのかな。
寺院の前にはチベット料理のモモが売っていたり、物乞いの人がいたり。中国のチベット支配に抗議して焼身自殺した人の顔写真や、香港への中国の過剰介入に抗議するデモの様子の貼りだしもありました。チベット問題が日本よりも確実に近くにあります。
寺院に入る前に電子機器類はすべて預けないといけないので、説法のときはカメラや携帯は置いていくのが◎です。
逆に持っていったほうがいいものもあります。
- FMラジオ
- 座布団
- コップ
- お菓子
あと私たちが行った10月初旬はだいぶ寒かったので、防寒具!
「なぜ?」ってものばかりですが、ダライ・ラマの説法は全てチベット語で行われるため、日本語をはじめ世界各国の翻訳がFMラジオで流されるのです。これは、つなぐカフェで出会ったお姉さんに貸していただきました♪
また、説法はコンクリートの床に座って4時間以上きくことになるので、座布団がないとお尻がつらーいことになります。
コップは説法の最中にふるまわれるバター茶をいただくため。説法は意外にも和やかな雰囲気で、みんな配られるお茶やお菓子を食べながらきいています。お菓子を持っていくのは、時々自然発生的に行われるお菓子交換のため(笑)。
このあたりの準備については、ダラムサラで仲良くなった日本人の方に教えてもらいました。ダラムサラは「なんか居着いちゃう〜」っていう女性の方が多くて、私にはその気持ちが分かる気がしました。インドの他の街よりひっそりとしていて、静かで、自分の時間に浸れる場所。そして、なぜかみんな英語がとても流暢でした( ゚д゚ ) 尊敬!
受付は時間が迫るほど混み合ってきます。7時頃に行った私たちは、ギリギリ混む直前だったみたい。期間中有効のパスをもらって、7時半頃には適当に空いている場所に座布団代わりのビニール袋に詰め込んだ冬服を敷いて、説法がはじまるのを待ちます。直接姿が見える場所に席取りするのはやっぱり難しいけど、少し時間があったので、説法の前にお経を読み上げているダライ・ラマさんを見に行くことができました。
チベット仏教の神様のような人であり、チベットという国の指導者でもあり。そんな本物のダライ・ラマが目の前にいるっていうことはすごいことだと思うし、よい教えを授かりたいという気持ちもありながらも、ニュースの中の有名人に会いたくて来たっていう俗っぽい気持ちもおおいにある私。純粋な信仰心をもって来たのではないから、せめて精一杯の誠意をもって話をきかなきゃ。
ダライ・ラマさんの話は、はじめはみんなに分かりやすいよう噛み砕いた話からはじまって、だんだんチベット仏教の教典に基づいた難解な話にすすんでいきます。
ちなみに私も多くの日本人と同じく、仏教に対する造詣は深くありません。
その結果、後半はありがたいお話にも関わらず
ほとんど意味が分かりませんでした……!(;´д`)
誠意だけじゃ、話はきけても理解はできないってことです……!!
不勉強極まれり。
けれど、特に説法の冒頭はやさしい言葉を使ってくれたり、時にはジョークを交えて場の空気を和ませてくれたり。そんなダライ・ラマさんの計らいのおかげで、みんなと分け隔てなく一緒に話をきかせてもらえた気がしました。
「利他の心は最大のご利益」
私が理解できた話の中では、この言葉が1番印象に残りました。情けは人の為ならず、に近いのかな。でも「ご利益」って表現が好きです。
自分の国は亡命しなきゃいけない状態なのに、ダライ・ラマさんがするのは「一時的な自分の利益にとらわれず大きく物事をみよう。チベット人でもインド人でも中国人でも関係ない、国や宗教は関係なく人間70億人みんな同じ心を持てる」っていう話。境遇に関わらず、ずっとそういう気持ちを持ち続けていられるところがすごい。ラマさんは宗教は関係ないと言うけどダラムサラに住むチベットの人が穏やかなのは、ラマさんの指導者としての考え方も絶対影響しているのだろうなと思います。
話が難しくなってきた後半もしばらくはきいていたけど、難解すぎて私たちは途中で帰ることに。期間中は一連の流れをもって話をしているみたいなので、余裕がある人は冒頭の部分だけでも、毎日聞きに行くとまた違う話が見えてくるのかも。
タイミングさえ合えば、観光客も気軽にききに行ける説法。たくさんのお坊さんやチベット仏教徒に混ざって、申し訳ないくらい大量のお菓子やパンももらえます。
ぴょんっと1回行くだけで難しい話を全て理解するのはとても無理だけど、興味がある人は雰囲気を感じてくるだけでも行く価値はあるんじゃないかなと思います。険しいチベット問題と裏腹に、チベット仏教の教えはとてもやさしいものでした。
この日、小さなチベット料理店で夕食をとっていると、ひとつ後ろで同席していた台湾の男性とチベットのお坊さんが熱く何かを語り合っていました。中国だけど中国じゃない、台湾とチベットの人たちはどんな話をしていたんだろう。
今でも思い返しては気になります。
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