親切なインド人におごってもらった話
ナマステー。naruです!
戦々恐々で訪れたインド最初の都市チェンナイは、思っていたより全然普通。ただインド人は好奇心の塊みたいな性格らしく、しかも目があったら視線は一切逸らさない! なので、電車の中でパッと顔を上げると車両の乗客全員が真顔でこっちを見てたりしてかなり怖かったです。
そんな私も、今日はインド初の夜行列車に乗ります!
インドの列車は一応座席指定があるのですが、いざ乗るとなぜか自分の席にたくさんの人たちが座っていて、通路にも人が寝ていたりする……と聞いていました。こ、怖い……。
ぶっつけ本番は心臓に悪いので、前日に偵察に行ってみました。インドの駅はセキュリティゲートがあるわりにほとんど機能していなくて、ホームは入りたい放題。
次にSLEEPERクラスという4等車。……これも牢屋?? 不安は増すばかりです。
こちらがA/C 3rdという3等車。
1〜3等車はエアコン付きのため、中が見えません!
う、う〜〜〜ん……。
外から見た感じ、不安は煽られるばかり!
けれど案ずるより産むが易し。
インドの列車にビビりまくっていた私たちがチケットを取ったのは、エアコン付きのA/C 2nd。乗ってみると、拍子抜けするほど快適でした。
夜は電気がつくので中が丸見え。
でも全然人で溢れてなんかないことは分かると思います。
2等の列車内写真がなかったのですが、こちらは後日やむをえず乗った1等車の車内写真。幅は狭くなりますが、2等も上下の2段ベッドが並び、きちんと1人に1ベッドあります。争奪戦なんて全然起こりません!
むしろお客さんはちょっと品のいい人たちばかりで、車内も全く心配することないくらいきれい。4〜5等は噂通り人で溢れていたけれど……。2等車は思っていたよりいいクラスだったようです。
とはいえ、初めてのインド列車は勝手が分かりません。ヒロさんが「なんかごはんが出るって情報も見た気がするんだよね」と言っていたのですが、イマイチそんな気配は感じられず……。
ど、どうしよう。
ないなら停車中に買いに行きたいけど、10分以上停まる駅もあれば1分と待たず出発する駅もある。万が一置いていかれたら1番怖い!
そんな時に助けてくれたのが、隣の席の老夫婦でした。
「食事は出ますか?」とヒロさんが英語で聞くと、
「え、何て? 英語でしゃべってくれる?」とおじいさん。
……???( ゚д゚)
もう1度聞いても答えは同じ。
一応ヒロさんの名誉のために言っておきますが、今までこんな伝わらないことはなかったんですよ!(笑)けれどインド人の英語はまた独特みたいで、挙げ句の果てには「日本語喋ってるの?」と言われる始末でした。ええー……!
中国では英語より漢字で通じ合えるので言葉より筆談を選んだことがありましたが、インドで筆談をすることになるとは。しかも最初の目論見は外れて、列車に食事のサービスはないそうでした。残念! けれど次の駅で食べ物が買えると分かっただけよかったです。英語がここまで通じなかったことに驚きヒロさんと笑いながら、次の駅に向けて発車するのを待っていたのでした。
なかなか出発しない列車。しばらくすると、席を外していた隣のおじいさんが何かを持って戻ってきました。
今でも思い出すと感激してしまうのですが、なんとそれは、私たちのためのお弁当だったのです!
「お金は?」と言っても「いいから食べなさい」とおじいさん。奥さんも、なんだか孫をみるような目で私たちを見て、頷いてくれてる。(実際かなり幼く見られてるのだろうけど……)
30ルピー(約60円)と書かれたお弁当の中身は、温かいベジタブルビリヤーニー。インドに来てはじめて食べるカレー味の炊き込みご飯みたいな料理でした。
おいしかった! お腹が空いていたというのもあったけれど、何よりこんな形で食事をいただけることになるとは思ってもいなかった。ご夫婦の親切が1番のスパイスでした。
旅をしていると、唐突にこういった無償の親切を受けることがたまにあります。その度に、私は同じことができるかなあと考えます。ただ席が隣になった旅行者に対して、この瞬間しか交わることのない見知らぬ人に対して。できるといいなあと思います。少なくともこのご夫婦の忘れられない親切は、私たちの中のインドの印象をグンと上げてくれました。
そして私たちは「英語なしでどうやって旅行してるの?」なんて言われながらモリモリとごはんを平らげたあと、快適すぎるくらいの電車に揺られぐっすり眠りながらインドの最南端へ向かったのでした。
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