マラッカの夕陽
多少遠回りになるかもしれないと知りつつこのマラッカに立ち寄ってみるつもりになったのは、なにもポルトガル人の築いた砦やフランシスコ・ザビエルの像が見たかったからではない。
私はただ夕陽が見たかっただけなのだ。
マラッカ海峡に沈む夕陽はとてつもなく大きく赤い、と聞いたことがあった。
深夜特急 沢木耕太郎
沢木耕太郎さんの『深夜特急』でも、主人公はマラッカを訪れます。
飛行機の中や長距離バスの中で読み進めている『深夜特急』で見つけたその一節で、僕の中の夕陽に対する期待度も急上昇。
ザビエルの像が立つセントポールの丘が、絶景スポットだと聞いたので、いざ、夕陽を見るために登ります。
(セントポールの丘はオランダ広場から歩いて5分ほど)
昼、セントポールの丘から。
方角も確認し、ここからなら見えるだろうと下調べもバッチリ。
しかし・・・・・
夕方。
うーん・・・・。曇ってて太陽は見えない・・・・。
まあ明日があるか。
翌日。
うーん・・・・・・!!!今日も曇ってる!
微妙!
マラッカは夕陽が綺麗だけど、いつでも綺麗な夕陽が見れると言うわけではないのね。
明後日にはシンガポールに行くので、夕陽が見れるラストチャンスは明日。
何が何でも見る!
というわけで翌日。
しかしもう5日はマラッカにいるので、特にすることもない。シンガポール行きのバスも予約したので、ゲストハウスでダラダラと過ごす。
次の国シンガポールの情報を集めていると、ゲストハウスの主、アナに声をかけられる。
アナ「今から外行けば夕陽が見えるよ。」
ぼく「おお、まじですか!行きます!」
アナ「ゲストハウス出て海の方に歩いたらむっちゃ綺麗に見えるとこあるから。」
ぼく「なんと!!!」
夕陽のベストスポットはセントポールの丘ではなかったらしい。
同じゲストハウスの宿泊客2人と一緒に見に行くことに。
そこには・・・・
待ち望んでいた夕陽が!
完全に晴れていたわけではなかったけど、マラッカ滞在中一番美しい夕陽が見れました。
夕暮れの時間をまったりと過ごして、海岸を後にしました。
(街灯など無いため、日が完全に沈むと真っ暗になってしまうので注意!)
後から聞いた話では、どうやら曇っているわけではなく、ダストで霞がかってしまうため、なかなか綺麗な夕陽は見れないそう。
日中に雨が降れば、ダストが綺麗に洗い流されて、綺麗な夕陽が見れるそうな。
皮肉にも、マラッカ最終日は朝から雨で、昼ごろには上がって晴れ間が。
このまま行けばとても綺麗な夕陽が見れるだろう、とのこと。
バスと宿を予約していた僕たちは、なんとも後ろ髪惹かれる思いでしたが、マラッカを後にしたのでした。
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